2018年 年頭のごあいさつ  〜  今年の賀状より

 

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 

誰もが明るく爽やかな正月を迎えたいと想うものだ。だがこの数年の空気の重苦しさは何

なのだろう。私の親の世代が迎えた、昭和16年から20年はどんな正月だったのだろうか。

 

昨夏、私の唯一の定期購読紙、図書新聞8月5日3314号に、追悼劉曉波「表現の自由は真理

の母である」劉曉波の思想と行動について、日本語で伝える役割と責任の重さ・及川淳子の

記事があった。

 

「社会を変えて政権を変える」…「自由と民主を追求する民間の力は、急進的に政権が変化

することによって社会全体の変革を求めるのではなく、漸進的に社会を変革することで政権

が変化することを迫るものである」「非暴力による反抗の偉大さは、押し付けられる暴政

よびそれによる苦難に人類が直面しなければならない時でも、被害者は愛を持って憎しみ

に向き合い、寛容を持って偏見に向き合い、謙虚さを持って傲慢に向き合い、尊厳を持って

恥辱に向き合い、理性を持って狂暴に向き合うのだ」と徹底して非暴力を訴えた。

(劉曉波文集2010年より)

 

中国の共産党一党独裁からの脱却を求める発言だが、今のこの国の問題として共感し、胸に

沁みてしまう。中国で、日本で、世界中で国家暴力がむき出しになっている。次の世代の

ために、今、大人達が事実を語らなければならないと思う。工房の花壇では今年も水仙の花

が生々しい香りを放ち始めている。

 

 

良い年になりますように。                       (文・松村 宏)

 


2017年 年頭のごあいさつ  〜  今年の賀状より

 

けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

6月から7月にかけて、3回目の脱皮を終えた頃のカマキリを見たことがあるだろうか。

奴らは黄緑色で、まだ華奢な肢体だが、触ろうとすると細くかわいいカマをもたげて

威嚇してくる。

 

この歳になって、蟷螂の斧という言葉を知った。・・蟷螂の斧を以って降車の隧を禦が

んと欲す・・カマキリが両足を上げて、大きな車のわだちに向かって進行を止めようと

する。弱小のものが自分の微弱な力をわきまえず、強大な敵に手向いすることのたとえ。

弱者が身のほどを知らずに強敵に立ち向かうこと。とのことである。

 

今、戦争へ向かう性急で強引な動きに対し、たとえ蟷螂の斧であっても、振るい続け

なければと思うが、振り下ろした斧は、為政を覆せない自分自身に突き刺さるのかも

しれない。

 

カマキリは7、8回の脱皮を繰り返して成虫になるという。チビカマキリ達よ、うまく

擬態してでも、天敵の暴力をかいくぐり、成虫となってその斧を振るい続けておくれ。

私も斧を研ぎ澄ましておくから・・・。

 

良い年になりますように。